COLUMN コトヒラコラム

搬送ラインの摺動部における摩耗と粉塵の発生について

搬送ラインの摺動部は常に摩耗しており、粉塵の発生リスクを伴っています。

製造業や物流現場には、製品の移送や仕分けなどの搬送ラインがたくさん存在しています。搬送ラインに求められる重要な役割は、「ものをとどめずに搬送すること」です。そのため、多くのラインが日夜止まることなく動いています。しかしながら、動き続ければ必ず摺動部は摩耗し、動作不良や摩耗部からの粉塵発生に繋がったりします。今回の記事では、搬送ラインの仕組みや起こりやすいトラブル、その中でも特に粉塵の発生に関連するものにフォーカスし、その解決策についてお話していきたいと思います。

搬送ラインについて

搬送ラインは、製造業の工場や物流の現場において、次工程にものを運ぶ装置、またその一連の流れのことを指します。搬送ラインは現場によって様々な形がありますが、いずれにしても高い摩擦負荷がかかる摺動部が存在しています。

摺動部について

摺動部とは、機械や装置において、互いにこすれながら滑りあう部分です。例として、軸と軸受け部、ピストンとシリンダー、レールと可動部などが挙げられます。

摺動部の種類

摺動部には以下のようなものがあります。

・回転摺動:軸が回転しながら軸受けと接する動き。クランクシャフトやベアリングなどが該当。

・面摺動:部品同士が平面で接し、互いに滑りながら動く動き。ピストンとシリンダーなどが該当。

・スライド摺動:部品同士が直線方向に滑りながら動く動き。レールと可動部などが該当。

摺動部の役割

様々な動きを求められる機械や装置において、摺動部はなくてはならない機構です。摺動部において、様々な摩擦コントロールを行うことにより、機械や装置の「滑らせる」から「止める」までの動きを実現しています。摺動性能を生かした製品例として、滑らせる特性を持ったものとして軸受け、止める性能を持ったものとして自動車用ブレーキが挙げられます。

仮に摺動部がなかったとすると、軸受用途では回転軸がぶれる、ギア用途では動力の伝達効率が低下するなどの不具合が生じ、機械が正常に動作しません。

摺動部の弱点

上記のように、機械や装置において重要な機構である摺動部ですが、常に摩擦にさらされるという弱点があります。摺動部には潤滑が必要であり、潤滑が不足すると焼き付きや固着、フレッティング摩耗などが発生します。そのため、摺動部にあたる部分には用途に合った摩擦対策が必須となります。

摩擦対策の例として、摩擦の少ない素材を使用する、潤滑油を塗って摩擦を下げる、金属の表面処理(カニフロンメッキや硬質クロムメッキ)の実施、自己潤滑性を持つ樹脂(PTFE、MCナイロンなど)の使用などがあります。

摺動部からの粉塵対策

しかしながら、工場の搬送ラインは思い立ったときに部品の変更が出来るものではありません。日々のメンテナンスとして潤滑油を塗ることなどは出来ますが、摩耗が懸念されている素材の部品やすでに摩耗している部品の交換となると、一度搬送ラインを止めなくてはならなくなります。そうなると生産日程や配達日程に影響が出るため、工場が長期休業に入る時期などでないと部品交換などの比較的規模の大きなメンテナンスを入れることは出来ないことがほとんどです。

そんな中、搬送ラインの摺動部から粉塵が発生したらどうでしょう?

粉塵の製品への混入などで歩留まりの低下に繋がるなどの悪影響があります。そのため、搬送ラインが問題なく動いていることが大前提ではありますが、摺動部の摩耗によって粉塵などが発生してしまった場合、搬送ラインを止めることなく粉塵の対策が出来るととても重宝します。そこで使っていただきたいのが小型集塵機です。

コトヒラ工業の集塵機のご紹介

コトヒラ工業では業界最小クラスの軽量・コンパクトな集塵機や従来品よりもフィルター交換回数を低減させたエコモデルの集塵機を取り揃えています。今まで集塵機を使用したことのない現場でも手軽に使っていただけるものをご紹介致します。

・超小型集塵機「ポータブルダストキャッチャー」

業界最小クラスの軽量でコンパクトな集塵機です。コンパクトなのに強力吸引で、様々な用途に対応できるのが特徴です。産業工場、医薬品工場、実験研究室、理容分野、アミューズメント関連などの微粉塵の回収などに、便利にお使いいただくことが出来ます。場所も取らず、持ち運びも容易です。

・粉体用小型集塵機

フィルター下面吸引方式と、独自技術でフィルター交換頻度を低減した汎用集塵機です。

コンパクトな設計で置き場所を選ばず、別売品のキャスターを取り付けることにより移動も容易に行っていただけます。食品・化粧品・医薬品工場、精密機器・部品工場、金属加工工場をはじめ、様々な集塵用途で使用可能です。

これらの集塵機を使用することで、搬送ラインの摺動部からの粉塵を除去し、現場に粉塵が舞うのを防ぐことが出来ます。摺動部の部品が摩耗していて粉塵が発生するような状況を改善し、部品の修理が出来ない場合でも対策することが可能になります。

もちろん、摺動部から粉塵が出るほど摩耗が進んでいる状態ということは、正常な摺動性能が得られず、狙った動作ができていない可能性がありますので、搬送ラインに大きなトラブルが出る前に、摺動部の部品そのものを修理することが重要です。

集塵機の使用は、一時的な対策であることを念頭に置いて、適切に利用して頂きたいと思います。

最後に

ここまでお読みいただきありがとうございました。いかがでしたでしょうか。

搬送ラインは製造業の工場や配送現場では欠かすことのできない重要な設備です。その搬送ラインにおいて、動きに重要な役割を果たしているのが摺動部です。摺動部は互いに擦れ合いながら動くという性質上、摩擦による摩耗は必ず起こる部分でもあります。搬送ラインの摺動部が常に正常に動作するように、当初の部品選びや日々のメンテナンスがとても重要であることは言うまでもありません。

しかしながら、工場設備の老朽化や、当初の部品選びや設計がうまくいかなかったことで摺動部が摩耗し、削れカスが粉塵となって現場に充満してしまう場合もあるでしょう。そうした場合の緊急措置として、小型集塵機の導入は有効な手段の一つです。

小型集塵機を導入することで現場に粉塵が充満することを防ぎ、製品の歩留まり低下のリスクを回避することが出来ます。また、現在はそのようなトラブルが見られなくても、将来的な設備の老朽化に備え、手軽に使用できる集塵機を一台持っておくのは製造現場の安心に繋がるのではないでしょうか。

この記事を読み、小型集塵機の導入に興味が沸いた方はぜひ、コトヒラ工業の小型集塵機をご検討頂けますと幸いです。

コトヒラ工業編集部
コトヒラ工業の製品や技術を発信すべく、日々コラム作成に取り組んでいます。これからもコラムを通して、コトヒラ工業の魅力を伝えていきます!
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